サポート無 | サポート有 | 利益 | |
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親権 | ー | 離婚 | |
親権 | ー | 妻 | |
養育費 | 支払いはする | 月額2万円 | 月額2万円 |
慰謝料 | 50万円 | 170万円 | 120万円 |
Cさんは、長女を授かったことをきっかけに、3年前の4月に夫と結婚しました。
長女は、結婚した年の7月に無事誕生しましたが、その3か月後、夫の不倫(法律上は「不貞行為」といいます。)が発覚しました。
きっかけは、Cさんが夫のLINEを見た際に、夫が女性に対し「好き」や性的な内容を送信していることを確認したことでした。
Cさんは、すぐに夫に対し、不貞行為が真実かどうか問いただしました。
夫は、不貞行為については認め、不貞相手である女性の所在も明らかにしました。
不貞相手の女性は、夫の職場の関係者であり、女性の住所や連絡先などは、夫から聞き出すことができました。
Cさんは、夫に対し離婚を切り出しました。
夫は、始めのうちは離婚に否定的な態度を示していましたが、後に離婚届を書くことには了承しました。
Cさんは、自分で夫との離婚条件について交渉することも考えましたが、長女も幼かったことや、夫や不貞相手の女性と交渉をすることは精神的負担が大きいということで、当事務所の離婚弁護士に相談しました。
弁護士は、Cさんと協議の方針について打合せをしました。
夫は、当時はアルバイトをしており、後に正社員に昇格しそうな状況でしたが、収入はあまり多くはありませんでした。
また、別居後も夫の通帳をCさんが管理しており、生活費については夫の口座から出すことのできる状況でした。
Cさんの意向としては、慰謝料は、不貞相手の女性から多くとって欲しい、夫からの養育費をきちんと回収できるようにしたいという希望がありました。
夫の収入からも、婚姻関係を継続するよりも、早期に離婚を成立させた上で、児童扶養手当などの母子家庭に対する公的手当を受けたほうが、Cさんと長女の今後の生活の安定を図るためには望ましい状況でした。
弁護士は、Cさんの意向を踏まえて、夫と不貞相手の女性にそれぞれ、通知書を送付して協議を開始しました。
夫の交渉においては、Cさんも夫の裏切りについて許すことはできないため、一定の慰謝料は請求しなければならないことを伝える一方、Cさん側の希望に応じてくれるのであれば、本件を早期に解決することも可能である旨を伝えました。
交渉開始当初は、夫は、弁護士に対し、慰謝料を払う資力は無いと伝えるなど、慰謝料の支払いには消極的でした。
しかし、弁護士が、夫と何度もやり取りを重ねるなどの粘り強い交渉により、慰謝料を50万円とすることで合意をすることができました。
また、養育費についても双方の収入金額から算定される相当額であった月額2万円を22歳まで支払ってもらう合意が成立しました。
合意内容は公証役場で公正証書にしてもらい、夫との離婚協議は終了しました。
不貞相手の女性については、弁護士が通知書を送付した後、慰謝料については50万円ほどしか支払えないという回答がありました。
弁護士は、Cさんが離婚を考えている状況では、裁判でも慰謝料の金額が50万円を大きく超える金額で認定される可能性があることを説明し、慰謝料金額の増額交渉を進めました。
最終的に、不貞相手の女性は、慰謝料金額を120万円とし、一括で支払うことに同意しました。
結果的には、交渉開始後3か月で、離婚後の子の氏の変更手続きまで終了するスピード解決となりました。
本件のメインの争点について解説します。
離婚慰謝料について、裁判例における相場は、200万円から300万円程度とされる場合が多いようです。
しかし、裁判での解決となると、解決まで年単位の時間がかかったり、裁判をする上での弁護士費用がかかったりします。
また、裁判では、当事者が裁判所で直接話を聞く「尋問」という手続きがあり、当事者の負担も大きくかかることになります。
本件では、慰謝料の合計金額だけみると、相場には届いていないように思われますが、慰謝料を獲得するまでにかかった費用や、スピード解決によるCさんの負担を考慮すると、Cさんにとっては、新たな生活を早めにスタートするという意味でも良い解決であったと思われます。
慰謝料請求においては、慰謝料の金額自体ももちろん重要ですが、慰謝料を獲得するためにかかる時間や費用についても十分に考慮すべきであるといえます。
慰謝料について、くわしくはこちらをご覧ください。
Cさんのケースでは、養育費に関する合意が含まれていたため、公正証書を作成しました。
養育費は、支払いが長期にわたることから、支払いが滞るおそれに対処する必要があります。
強制執行認諾文言付き公正証書があると、養育費の支払が続く可能性が高まりますし、万一不払になった場合にも、すぐに強制執行を行うことができます。
Cさんは、公証役場まで夫と一緒に行くことはしたくなかったため、弁護士を代理人として公正証書の作成手続きを行いました。
公証役場とやり取りをしたり、夫と公証役場に行く日を決める必要がありましたが、それらのやり取りは全て弁護士が行いました。
養育費の公正証書について、くわしくはこちらをご覧ください。
離婚問題については、当事務所の離婚弁護士まで、お気軽にご相談ください。