子どもたちの親権を取得して離婚できた夫Tさん

執筆者
Tさん
40代/男性
/会社員
相手
40代会社員
世帯年収
700万円
離婚の原因
性格の不一致
解決までの期間
約10ヶ月
親権
養育費を増額
の解決事例
※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

サポート無 サポート有 利益
離婚 不成立 成立
親権 夫にて親権取得
養育費 0円 2万円 月額2万円増額

状況

Tさんは、10年に妻と結婚し、二人のお子さんに恵まれました。

ただ、妻は自分の思い通りにならなければ感情的になり、時にはその矛先がお子さんに向くこともありました。

暴力こそないものの、お子さんたちが傷つく言動や行動が目立ち、Tさんは頭を悩ませていました。

また、Tさんが異性とやり取りをしていただけで、「不倫だ。」と言い、いくら説明をしても妻が聞く耳を持つことはありませんでした。

Tさんは、これ以上妻との婚姻関係を継続することは難しいと考える一方、子どもたちを置いていくこともできない葛藤に苦しみました

そうした最中、再び夫婦喧嘩が生じました。

ここで感情的になった妻は、Tさんに対し、子どもを連れて出ていけと申し向けてきました。

そこでTさんは、子どもたちを守るべく、子どもたちを連れて別居生活を開始することにしました。

もともと妻が出ていけと言う形で始まった別居生活であったにもかかわらず、妻は「夫が子どもたちを勝手に連れて出ていった。」と主張して、子どもの引き渡しを求めてくるに至りました

Tさんは、これ以上手に負えないと感じ、当事務所の離婚弁護士に相談しました。

 

 

離婚弁護士の関わり

弁護士は、Tさんの代理人として、妻に文書を送付し、お子さんたちは今後Tさんのもとで監護養育することを伝えました。

すると妻は、子の引き渡しを求めて、監護者指定と子の引き渡しの調停と、その保全処分を求める審判、そして面会交流の調停を申し立ててきました。

そして妻は、審判手続きにおいて、Tさんが勝手に子どもたちを連れて家を出たと主張しました。

こちらは、もともと子どもたちはTさんの発言をきっかけに連れて出たことを主張しました。

その後、手続の中で調査官による調査が実施されました。

Tさんは、日頃からお子さんたちとコミュニケーションを取り、積極的に育児に当たっていたため、調査官においてこれを適切に評価してくれました。

その結果、Tさんの監護に問題はなく、父親であるTさんのもとで今後も監護養育することが相当であると結論付けてくれました

妻はこの調査結果を受け、監護者指定と子の引き渡しの申立をすべて取り下げるに至りました。

しかし、親権の主張を取り下げることはなく、引き続き争う姿勢を見せました。

こちらは先の調停に伴い、離婚調停を申し立てていましたが、妻が親権を争う姿勢を見せた結果不成立となりました。

そのため、争いは訴訟に持ち越されることとなりました。

離婚訴訟で、妻は親権を争うため、そもそも婚姻関係が破綻していないとして離婚の成立そのものを争う態度に出ました

本件では話し合いによる解決、すなわち和解が困難な状況だったため、紛争は判決を待つこととなりました。

Tさん側は、これまで妻が離婚を前提とする発言をしていたやり取りの記録が残っていたため、これを証拠として提出しました。

この証拠が功を奏し、さらに別居して以来修復の話がなされたことが一度もなかったこともあり、裁判所は離婚を認めてくれました。

さらに親権については、従前の調査官による調査結果がTさんに有利なものであったため、Tさんが親権者と指定される結果を得ることができました

判決後、妻が控訴をしなかったため、Tさんを親権者とする判決が確定し、無事に離婚を成立させることができました。

 

 

補足

本件のメインの争点について解説します。

親権について

親権とは、簡単に言うと、子どもと一緒に生活したり、財産を管理したりする権利のことを言います。

子ども一緒に生活すること、つまり自分の元に子どもがいて実際に育児当たっている状態を「監護」と言い、監護している者を「監護者」といいます。

離婚成立前段階において、夫と妻のどちらが子どもを監護するか争いになることが多くあります。

これが「監護者指定の申立」といわれるものです。

監護権争いは、親権争いの前哨戦的な側面を持つので、親権の取得を考えるうえでは重要な位置づけを持ちます

親権について、詳しくはこちらもご覧ください。

監護権、親権者となろうとするのであれば、DVなど生命、身体の危険がある場合を除き、離れて暮らす親と子の交流(これを「面会交流」といいます。)には積極的になる必要があります

本件においても、もちろん相手方による違法な連れ去り行為には注意しつつ、積極的に面会交流を実施しました。

なお、親権者、監護権者としての適格性は、監護実績が大きな考慮要素となります。

言い換えると、母性があるとされる母親だから有利ということはありません。

これまでの同居生活において、父親側が積極手に関わり、別居後も相手方との面会交流を考え実施していれば、父親側でも親権者、監護権者として適格であると評価されます

親権者になれる人とは?詳しくはこちらをご覧ください。

親権と面会交流について、詳しくはこちらをご覧ください。

親権で母親が負けることがあるか、詳しくはこちらをご覧ください。

養育費について

本件では、収入を多く得ているTさんが親権者となりました。

妻は親権者とならず、収入も低かったわけですが、妻は養育費を支払わなくていいわけではありません。

収入金額の多寡によっては、収入の低い配偶者の養育費が算出されない(養育費を支払わなくて済む)ケースはありますが、養育費の支払義務自体が当然になくなるわけではありません

養育費を女性が支払うケースについて、詳しくはこちらをご覧ください。

離婚問題については、当事務所の離婚弁護士まで、お気軽にご相談ください。

 

 



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