風俗店のトラブルで警察の介入を防いだ事例

執筆者
Bさん
20代
罪名
撮影罪
解決までの期間
1か月
弁護活動の結果
示談成立、警察が介入することなく終了
盗撮
の解決事例
※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

背景事情

Bさんは風俗店を利用した際に、出来心からサービス中の様子を携帯電話で盗撮してしまいました。

しかし、携帯電話の置かれている位置に違和感を持った女性スタッフが他の従業員を呼び、Bさんの盗撮は発覚しました。

Bさんは、風俗店で複数の男性スタッフに囲まれて厳しく注意を受けるとともに、身分証のコピーを取られ、多額の賠償金も請求されました。

その場での回答を差し控えた場合には警察に届けることも辞さない様子であったことから、ひとまずBさんは要求された賠償金を支払うとだけ伝えたところ、無事に帰ることができました。

冷静になったBさんは、自分の対応が正しいのか、これからどうしたらよいのかを確かめるために弊所に相談をされました。

 

弁護活動の内容

Bさんの話を前提とすると、風俗店の要求はあくまでもお店に対する賠償金としての要求のように見受けられました。
また、簡易的な和解書も用意されていましたが、和解書のサインはBさんと風俗店の責任者のみであり、被害者の意思が確認できるような書面ではありませんでした。

そのため、風俗店の要求に応じるだけでは、警察が介入してきた場合の対応として不適切である弊所の弁護士は考えました。

風俗店ではなく女性も含めた形で示談をするべきであることを説明したところ、Bさんから依頼を受けることとなりました。

依頼を受けた当事務所の弁護士は、すぐに風俗店へ連絡し、既存の合意内容を変更させてほしいこと、被害に遭った女性スタッフを合意の当事者に含めることなどを要求しました。

風俗店側とのやり取りの結果、女性スタッフを含めて示談交渉を行うこととなり、最終的には女性スタッフとお店双方から刑事事件化はしないという約束を取り付けることに成功しました。

 

 

ポイント

風俗店トラブルの特徴

風俗店でのトラブルの多くは、盗撮や本番強要(不同意性交等とならない事例も含む)です。

風俗店を利用する際にこのような行為に及ぶと、女性スタッフが男性スタッフを呼び、ホテルや店舗内で男性スタッフから恫喝に近い対応を受けたり、免許証等のコピーを取られて身元を特定されるということも起こりうるようです。

特に盗撮の場合には店の規約違反ということでお店から多額の金銭を要求されることが多く、犯罪が発覚したことの負い目や男性スタッフに恐怖を感じてその場で金銭を交付したり、書面にサインをしたりといった対応をしてしまう方が大半です。

しかし、このような対応で事件が解決したと思い込むことには大きな問題があります。

風俗トラブルが起きた場合、被害者側は風俗店が全面的に窓口となることが多く、その結果、合意の主体も風俗店となってしまっているケースがほとんどです。

そうすると、風俗店との間で示談が成立して、示談金を支払ったとしても、その支払いは被害者である女性スタッフへの賠償とは別問題であると考えられる可能性があります。

規約違反行為のペナルティとして風俗店が金銭を受け取っただけということもあり得ますから、女性スタッフに示談金が渡されているとは限りません。

仮に刑事事件として取り上げられた場合、風俗店にしか示談金を支払っていないと被害弁償が行われていないという評価になる可能性があります。

せっかく高額な示談金を支払ったのに処分を決めるときに適切な評価をしてもらえないということになりかねません。

また、風俗店が用意する書面のなかに「刑事処罰を望まない。」や「警察への被害申告はしない。」などの文言があったとしても、合意の主体が風俗店である場合、この書面によって被害者である女性スタッフは何ら拘束されません。

その結果、風俗店の要求に応じて事件が解決したと思っていても、後日警察から連絡が来るということも十分に考えられます。

このように風俗店との間での示談は風俗トラブル全体の解決にならない可能性がありますから、風俗トラブルの示談は被害者本人との間で交わす必要があります。

もちろん風俗店は加害者本人に女性スタッフの情報を伝えるわけがありませんから、交渉を行う上では弁護士がほぼ必須といえます。

弁護士を代理人とすれば、被害者の情報を加害者に伝えることなく示談を交わすことが可能ですから、風俗店側も合意の当事者に被害者である女性スタッフを加えることに抵抗感を示さないことも多くあります。

風俗トラブルを起こしてしまったときは、その場で何か約束をした場合でも後から弁護士に相談してしっかりとした合意書を交わすことをお勧めいたします。

また、弁護士と一口に言っても得意分野は様々ですから、風俗トラブルをはじめとした刑事事件の交渉に慣れている弁護士を探すべきです。

刑事事件でお困りの方は、刑事事件に注力する弁護士が複数在籍する当事務所に、ぜひご相談ください。

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